TiPOの長所

最終更新：2001/04/28

ソフト面

■ 実身仮身

　TiPOは、BTRON仕様準拠32ビットOS『B-Right』を搭載しています。
　そのBTRONの最大の長所が、「実身仮身」と呼ばれるファイルシステムです。

　OSレベルのハイパーテキスト環境で、HTMLと違って編集が簡単。
　データを取り扱うという点において、実身仮身システムは、Windowsより圧倒的に優れていると感じます。

　実身仮身なしのデータ整理には、もう戻れません。実身仮身があるというその１点だけで、TiPOはあらゆるPDAを凌駕します。
　PalmやらPsionやら、魅力的なPDAはいろいろありますが、実身仮身が使えない以上、買い替えには至りませんでした。

　ただ問題は、実身仮身の良さを体感的に納得できるまで、１年かかった（※）ってこと。
　こういうのは、いくら言葉で説明を受けても、通じるものじゃないんですよね。体験していく中で、段々わかってくる。拳法の奥義みたいなものかとも、思いました。
　他のコンピュータと違う、新しい思想体系になれるまでは、時間がかかります。それまで我慢できないと、TiPOはただの「使いづらいPDA」で終わるんですよね。

（※）他の方に聞いても、おおむねこれだけかかるようです。

　まあ、我慢しろと言う方が無理か。
　でも、我慢すると、いつか素晴らしい新世界に到達できます。

■ マルチウィンドウ・マルチタスク

　640×240ドットの大きな画面に、複数の文書を並べて同時に閲覧したり、複数のアプリケーションを同時に動かしたりできます。
　マルチウィンドウな携帯情報端末って、いまだにTiPO以外には存在しないですよね。

　さらには、プリエンティブなマルチタスクで動きますから（←棒読み）、データの検索をかけながら、最初にヒットしたデータを閲覧するってことも可能で。
　このあたり、TiPOってパソコンと同じ能力をもっていると感じ入ります。

■ パソコンとの連携のしやすさ

 　パソコンといっても、この場合、同じBTRON OSを搭載したパソコンのことですが。
　『B-Right/V』や『超漢字』といったパソコン用BTRON OSは、TiPOの『B-Right』の上位互換ですから、『超漢字』で TiPOのデータを扱えます。

　TiPOのデータをコンパクトフラッシュに入れておけば、そのコンパクトフラッシュを『超漢字』パソコンに差すだけ。
　データのバックアップも、『超漢字』で簡単です。

　文章作成、表計算、データベース、通信、インターネット接続、ドロー／ペイントといった、コンピュータでやりたいことの基本的なソフトが、一通りそろっています。
　私には無理ですが、TiPO単体である程度のソフト開発までできるのだから、驚き。
　とにかく、機能の豊富さ、自由度の高さといったら、パソコン並み。TiPOはPDAではない、携帯コンピュータだとつくづく感じます。

　それを最初に痛感させられたのは、TiPOを買ってきて、箱をあけた瞬間です。いきなりこれですよ、これ。

　なんですか、この説明書の山は。積んだら、高さ65mm。
　それだけ機能が豊富であることの証しですけど、これを読めって言うんですかー？

　いや、読むと面白いんですけどね。埋もれている機能、秘めたポテンシャルがわかって。
　つい先日も、ドロー／ペイントソフトである「基本図形編集」の使い方を読んでいて、ひっくり返りました。
　指定領域を塗りつぶす作業をする際、その塗りつぶしのパターン（スクリーントーンのようなものですか）が128通り用意されています。それはいいとして、このパターンを自分でつくるための、図形エディターが備えられているのです。
　128通りもデフォルトで用意されているのに、さらに好きにカスタマイズできる！ 驚異の自由度！

　…この機能、果たして使っている人はいるのでしょうか。

　ただ、ここまで自由度が高いと、どう使いこなせばいいのかわからなくて、初心者は逆に困るんですよね。
　私も、そうでした。これがまた、TiPO挫折者をうむ一因なのかなあ。

ハード面

■ ハーフVGAサイズの大きな液晶画面

　大きくて、精緻なフォントが読みやすく、情報量が多いのが便利です。モノクロですけどね。
　Palmの160×160ドットの小さく画面、粗いフォントは、私には合わなくて。

■ 省電力設計

　単３アルカリ乾電池２本で、50時間動かせます。普通の使い方なら、１ヶ月もちますよね。
　私の場合は、ニッケル水素充電池を使っているのと、日々の使用時間が長いせいで、２週間ほどで交換しますが。

■ PCカードスロット １基搭載

　Type IIのPCカードやコンパクトフラッシュが使えます。
　ATAメモリーカードを挿せば、何MBでもデータをためこめます（※）。内蔵RAMの残り容量なんてのを、気にする必要がありません。

　モデムやPHSカードを使えば、通信もできますので、街頭でメールチェックなんてこともできます。
　メールの受信処理がのろいので、緊急時しかやってませんが。

（※）OSの制約で、実身は65,535個までという上限があるそうですが。